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陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

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ビールの泡について(byけい)

きょうは個展6日目。
昨晩は宴会が珍しくなく、1人で過ごしました。
こういうときは映画でもみると良いのですが、時間も遅いし、映画館もわからないので、漫画喫茶に行って、ビールをチビリチビリやりながら、漫画の世界に浸りました。
わたしは漫画世代の走りです。小さい頃は鉄腕アトムと鉄人28号、大学生の時は、巨人の星とあしたのジョーで育ちました。漫画というと軽蔑する人もいるかもしれませんが、わたしはりっぱな文化と思っています。ちょっと時間が空いたときに、漫画喫茶は便利ですね。ビールの泡について(byけい)_c0178008_16361189.jpg
きょうはビールの泡の話。
写真は今回の個展にも出品している、ビールジョッキ。
10月5日のブログでも紹介しましたが、今、雑誌サライに載っています。
ビールといえば、日本の場合ガラスと決まっていますが、泡にこだわる人は陶器を使います。ビールの本場ドイツでは陶器製の方が多いと聞きます。ガラスのジョッキと陶器製のジョッキで実験すると、ガラスのジョッキは泡がすぐ消えるのに、陶器製のジョッキの方はなかなか泡が消えません。陶器の中でもこのジョッキのように「焼締め」の方が細かいクリーミーな泡が立ち、ずっと泡が残ります。「焼き締め」というのは釉を掛けないで薪で焼いたものをいいます。備前焼き、信楽焼き、などが代表選手ですが、この「須恵ジョッキ」ももちろん焼き締めです。
何故、泡が立つのかご存知ですか?
簡単にいいますと、泡が立つ為には核(コア)が必要です。ガラスの場合、表面がつるつるでコアが少ない。焼き締めの器は表面がざらざらでコアが多い。釉を掛けているもののなかで、光沢釉よりつや消し(マット)釉の方が泡がよく立ちます。マット釉というのは表面がざらざらしていますからね。
と云う訳で、見た目にこだわる人は、ガラスのジョッキでいいのですが、泡(これは味にも影響します)にこだわる人は焼き締め、特に須恵器のジョッキを使いましょう!
by sueki-k | 2008-10-13 18:53 | 焼物の専門的な話