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陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

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律速段階(byけい)

桔梗(キキョウ)が咲きました。桔梗も、トルコキキョウとか八重の桔梗とかありますが、私は普通の桔梗が一番好きです。何故人は、改良して醜くするのでしょうか。竜胆(リンドウ)も、花屋さんのは花が何段にもついていてうるさいくらいです。山の竜胆は上に数個ついているだけで、私は自然の竜胆が大好きです。
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きのう、メグミの実家から帰る時、とても遅い車がいました。最近増えつつありますが、枯葉マーク(?)の車で、30kmくらいのスピードで走っていました。お陰で後ろにたくさんの車が繋がりました。そこで思い出したのは、高校の時の理科の時間です。化学反応で、A→B→C→Dと移るとき、そのスピードは一番遅い反応に支配されるそうです。その段階を「律速段階」と言います。まさに車と同じですね。一番遅い車に支配されます。
話はちょっと飛躍しますが、我々の個展も同じだと考えています。自分の個展も他人の個展も同じですが、その個展のレベルは、最高の作品ではなく、最低の作品だと思います。どんな名品を出しても、つまらない作品が一つあれば、それがその個展のレベルとなります。他人の個展をみていて、つまらない作品が一個でも出ていると、あとは見る気がしなくなります。これは演劇や合唱も同じでしょう。どんな名優がいてもヘタなのがいるとぶち壊しですよね。合唱などはそれが顕著です。
以前、日本伝統工芸展の講評会で林屋晴三氏が言っていました。「この展覧会、あと50点減らすと良い展覧会になるのだけど・・・」つまり最低レベルを上げるということです。
こういう例は世の中たくさんあると思います。でも上の話はプロの世界でしょうかね。アマが個展をやる場合は良い作品が一個でも出せれば成功といえるかもしれません。
by sueki-k | 2009-08-06 19:47 | 佐藤けいのエッセイ