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陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

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焼物の分類(byけい)

きょうの話は7月6日のブログ「陶器と磁器の違い」の続きです。まだ読んでいない人は是非読んでください。
忘れないうちに続きを書いておきますね。
焼物は、土器・陶器・せっ器、磁器の4種類に分類されます。
土器は焼く温度が低い。「野焼き」といって野原にに少し穴を掘って、焚き火で焼きます。つまり窯無しで焼いた焼き物が土器です。
私は以前から時々子供達を集めて、土器を焼いています。これにはコツがありますが、それを書き始めるとまた何回か分になってしましますので、きょうは割愛します。土器を焼く温度は900度前後でしょうか。写真は、左が10年ほど前に焼いたもの、右が一昨年焼いたものです。これは昔の土偶を模写したものです。
焼物の分類(byけい)_c0178008_1905053.jpg

陶器・せっ器・磁器は同じ温度で焼くと思っていただいて結構です。よく、陶器は温度が低く、磁器は高い温度で焼くという人はいますが、陶器のほうがもろいのでそう思うのでしょう。でも、我が家では同じ温度で焼いています。
さて、せっ器です。これがややこしいのです。せっ器の代表的なのは、万古焼の急須を思い浮かべていただくと良い、あれ、陶器でしょうか、磁器でしょうか。実はどちらにも属さないのです。陶器というのは、吸水性があり、熱伝導率が低く、もろい。磁器は白くて半透明で吸水性がなく、熱伝導率が高い。万古焼の急須は吸水性がなく、熱伝導率が高く、不透明で茶色。一見陶器っぽいが性質は磁器。さて困った。それで新しく作った種類がせっ器なのです。英語でstone-wareというのがあり、明治時代にせっ器と訳されました。漢字は火偏に石です。「火石器」これ横長になってしまいますが、パソコンに入っていないので仕方ありません。この字は明治時代に作られた造語です。
因みに、私が焼いている「須恵器」は吸水性があるので、陶器に属します。
by sueki-k | 2009-07-19 19:23 | 焼物の一般的な話