人気ブログランキング | 話題のタグを見る

陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

suekinokei.exblog.jp
ブログトップ

再び「プロにとって定石は無い」(byけい)

6月27日に急須の話をしました。あの時ロクロをしたものが焼きあがりました。
今回は色々な釉を掛けたので、カラフルです。青いのはゴス、赤いのは辰砂、白っぽいのは灰釉、緑っぽいのが灰釉ゴスです。
急須は難しいと書きました。焼きあがると、水を入れて注いでみます。水の出具合、水切りの良さ、蓋の具合などをみます。
再び「プロにとって定石は無い」(byけい)_c0178008_22391578.jpg

写真の中央の急須、変な立て方をしています。実は急須はこういう立て方をして、立つ急須が良い急須と言われています。それでいうと、中央と左の急須は良いが、右のは立たないから良くないことになってしまいます。でも実際に持ってみると、手のなかにこっぽり入って、なかなか持ちやすい。「手を下にして立つ急須は良い」というのは謂わば「定石」のようなものです。でも実際はそうとは限りません。
私の好きな言葉で、「プロにとって定石は無い」というのがあります。仕事をしていてそれをよく感じることがあります。それに関しては4月16日のブログに詳しく書きました。
急須の手も、昔の人が言ったことが定石として伝わり、それはそれで真実なのでしょうが、でもプロはそういうことはすべて無視して、無から考えます。大事なことは、使いやすく、美しいこと。「使いやすい=美しい」ということもあります。
他の世界でもそういうことは、たくさんあるでしょうね。
by sueki-k | 2009-07-12 22:54 | 焼物の一般的な話