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陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

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森は調和している(byけい)

きょうから、めぐみは県の養蚕指導の勉強に行っています。なので、ちょっと一人生活を楽しんでいます。やることはたくさんあるのでサボル訳にはいきませんが、とりあえず一人は気楽です。
回りは相変わらず鬱陶しい梅雨空ですが、そこに何輪かドクダミが咲いていました。私はこの花が大好きで、まだ駆け出しのころ、この模様のコーヒーカップや大壷をよく造っていました。というのも、私が弟子入りしていたとき、ある夕方ドクダミの群生に出会ったのです。薄暗い夕刻、このドクダミの白がクッキリと、しかも何百と群生している姿に感動しました。で、独立してからこの群生している模様を描いた訳です。
ドクダミという名は葉に独特の臭いがする為ですが、別名「十薬(ジュウヤク)」とも言います。それは10種類くらいの薬効があるからだそうです。ですから私はこの模様の壷は「十薬文大壷」と名づけました。
森は調和している(byけい)_c0178008_19582395.jpg

森にはこの花やきのうの蛍袋、その他たくさんの野草、また山桜やクヌギ、コナラなどの木々、又、野鳥や昆虫などが生息しています。それらは皆ちゃんと個性があり、存在感がありながら、回りと調和しています。
たまに東京へ出かけると、すごいですね。皆自己主張し、うるさいくらいの看板とハデハデの化粧、そのくせ私には無個性に見えます。大きな流れに振り回されているようにも見えます。
一昨日、お客様が3人お見えになりましたが、その内の一人は30歳くらいの女性でした。その人は群馬県生まれで、一度東京に出ましたが、東京に失望して群馬に戻り、その時「ザグリ」に出会いました。それをライフワークにしようと思い、今一生懸命やっています。ザグリというのは、メグミがこの間勉強してきた、繭から糸を紡ぐ仕事です。若い人がいなくて、絶滅危惧の仕事です。彼女は30年後には貴重な存在になっているでしょうね。
森の木々のように、ドンと構えて、仕事をしたいものです。
by sueki-k | 2009-07-02 20:13 | 山野草