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陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

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4つの最後の歌~夕映えに(by 弟子)

もう12月に入り、こちらはもう冬枯れの景色になりました。皆様のほうはいかがでしょうか。
写真は最近の日課になっております、工房近辺の道の草刈の跡です。この時期に刈れば、もう雑草も春までは伸びてきそうにありません。
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冬は回想の季節です。最近ラジオでよくかかるのが、リヒャルト・シュトラウスの最後の4つの歌の4番目の曲「夕映えに」です。年に3回のクラッシク・リクエストの番組でも登場したこの曲、やはり日本人に人気があるようです(もちろん海外でも人気があるかもしれませんが)。この曲を聴くとつい昔の思い出に耽ってしまうのです。
学生時代、千駄木に住んでた頃、夜遅い飯を食おうと店を探していて、下宿近くのラーメン屋に入りましたら、そこのオヤジが「おっ、初めて見るのに懐かしい顔!」といきなりなれなれしく言われました。普通、いらっしゃいですよね。で、塩ラーメンを頼んだら「えっ?ラーメン?味には自信ないんだよなー」と言われて二重に腹が立ちました。でも、たしかにまずかった。店を出て行くときはあきれたような不思議な気持ちでしたが、何か面白おかしくて愉快でした。
僕には初めて来たところなのに何故か懐かしい場所というのがあるんです。それが北海道なんですね。札幌の市内の風景、サロベツ原野、稚内の踏み切りや商店街を見ると、夢の中にいるような不思議な感覚にとらわれます。こんな時、前世や転生というのを信じたくなるのかもしれません。唯物的な発想の人であれば「僕にはアイヌの血やDNAが混じってるのかもしれない」と言うでしょう。そうかもしれませんね。でも、もしかしたら前世で蝦夷鹿かキタキツネだったのかもしれませんが。
私は日本の民謡の鳴り物の音や歌声を聴いても何の感興も湧きません。むしろグルジアやアルメニアの民謡を聴くほうが何故か懐かしい。そして、フィンランドの作曲家シベリウスを聞くと涙が溢れてしまいます。どうしてでしょうか?そういえば札幌フィルはよくシベリウスを演奏します。北海道に行くと故郷に来た気持ちになるのです。
リヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」を聞いてもつい涙が出てしまう。そして、この「最後の4つの歌」を聴くと、学生時代に情熱に胸を焦がして神保町の古本屋街を歩き回った時の夕暮れの風景を思い出します。若かったなあ・・・、あの時は。
ラジオではフレーニやシュテンメのソプラノでどれも良かったですが、私はエリザベート・シュヴァルツコップのソプラノでセルが指揮したのが好きでした。
by sueki-k | 2008-12-05 20:37