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陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

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佐藤けいのΣ(シグマ)理論(byけい)

きょうは灯油窯の窯だし。
うちは薪の窯(穴窯)と灯油の窯の2つの窯があります。
穴窯は年に2~3回、灯油窯は月に2~3回焚きます。
今回の窯は湯呑み220個と、大湯呑み50個と豆皿150個とその他全部注文品でギッシリ埋まりました。兎に角ギッシリ詰め、一昨日焚いたのですが、不思議と温度は順調に上がりました。常識的に考えると、たくさん詰めた場合、温度が上がりにくく、灯油もたくさん必要と思われますが、土鍋のように隙間だらけだと案外温度が上がりにくいのです。
そこで、若干話しはずれますが、きょうは「佐藤けいのΣ(シグマ)理論」を書きます。
佐藤けいのΣ(シグマ)理論(byけい)_c0178008_19532920.jpg

きょうの話は簡単に言うと「大きいことはいいことだ」という話です。
Σというのは数学用語で、「総合」という意味です。
以前、こういう経験がありました。ある時、味噌を作ろうと思って豆を煮ました。豆が大量にあり、最初はガスレンジで普通の鍋で煮ていました。ところが、これがすごく時間がかかったのです。業を煮やして、近所から大きな鍋を借りてきて薪で煮ました。そうしたらあっという間に煮えてしまったのですね。その頃、焼き物の窯のことを考えていて、窯は大きいほど良いと思っていましたから、これだ!と思いました。豆は、何故大きい鍋のほうが速く煮えたかというと、温度は確かに小さい鍋と一緒なのですが、一粒の受けるエネルギーは大きい鍋のほうが多いのではないか、というのが、私が考えたΣ理論です。つまり一粒の受けるエネルギーの総合をΣとすると、大きい鍋のほうがシグマが大きい。だから豆は大きい鍋のほうが速く煮える。
私の理論でゆくと、大きい窯のほうが良く焼けるということになります。
卑近な例としては、個人の家庭風呂より銭湯や温泉の方が暖まるということです。
また、ご飯も大きい釜で炊いた方が美味しい。これはよく言われることですね。
私の土鍋は蓋を大きめに作っていますが、これはΣを大きくする為です。
焼き物の窯も含めて、これら、最近すべてが小さくなりつつあります。
家族も昔は大家族が多くありましたが、最近は小家族になり、ついには独り者が多数を占めつつあります。
これら、あまり良いことではない気がするのです。
で、「大きいことは良いことだ」なのです。
でも、大きいことが良くない例もありますね。
最近、大型店舗がどんどん出来ていますが、これは本当によくないと思います。高崎の街の中はゴーストタウン化していて、郊外の大型店舗ばかりがはやっています。これは文化の衰退だと思います。それと格差社会を急速に進めることにもなっています。何故政府はこんなひどいことを許しているのでしょうか。アメリカの真似などしなくてもいいのに・・・
きょうは、少し長くなりました。
by sueki-k | 2008-11-22 20:28 | 佐藤けいのエッセイ