陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

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レンガの話(byけい)

本日より窯焚きが始まりました。20日から昨日まで3日間窯詰めで、昨晩の夜中の12時に火入れ式を行いました。きょうから6日間の窯焚きです。
写真の窯にシミのような跡がありますが、あれは泥を塗った跡です。先月一部窯を修理し、そのままになっていたのを本日泥を塗りました。
窯はレンガを積んで造ります。その上に隙間を埋めるために泥を塗ります。
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レンガのサイズは6.5×11.5×23.0cmです。窯の厚さはこの一番長い23,0cmです。
ところで何故この寸法なのでしょうか。
これはいい加減な長さではありません。ちゃんとした必然があるのです。
窯の厚さを考えてみましょう。もし、うんと薄いと、たとえば1cmくらいだと、放熱で熱が失われます。紙のように薄ければ熱はどんどん失われますよね。これは熱効率が悪い。では厚ければ良いのか。たとえば1mとか10mとかうんと厚いと今度は、放熱はないけど窯を暖めるのに熱が奪われます。これも熱効率が悪い。つまり窯の熱効率は、放熱と窯に取られる熱の二つの要素からなっていて、窯の厚さに対して逆の構造になっています。1cmでは薄すぎる、1mでは厚すぎる、ではその間に丁度良い厚さがある筈です。それが23cmなのです。昔がら試行錯誤を繰り返してこの厚さになったのでしょうね。
今、科学が発達して、もっと優秀なレンガが発明されています。イソライトというレンガで、中に気泡があって、発泡スチロールのようなレンガです。そのレンガですと、もっと薄くても大丈夫なようです。ただその場合熱しやすく冷めやすい窯になります。焼物は「焼きもの」なので、焼きは重要です。私はじっくり時間をかけて焼いたものが良いと思っているので、現代のレンガで作った窯よりも昔のレンガで作った窯のほうが時間はかかるが良いものが焼けると思っています。うちの穴窯は勿論、昔のレンガで造ったものです。
さあ、きょうから6日間気合を入れて頑張らねば・・・
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by sueki-k | 2009-09-23 21:05 | 窯焚き&窯の話

常識を破る(byけい)

今、今月の穴窯に向かって急ピッチで制作をしています。最初は肩慣らしで作り易いものを作り、気分が乗ってくると大物にとりかかります。大物は乾燥に時間がかかるので、早く作ってゆっくり乾燥しなければなりません。焼物は乾燥するときに収縮するのがポイントで、大きなものほど乾燥が均一になりません。そのためよく底に亀裂が入ります。それをいかに防ぐかが大物つくりのコツです。
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ロクロしたものは写真のように、半乾きのときに削ります。この削りで今回、新しい発見がありました。30年もやっていて何故こんな簡単なことに気づかなかったのだろうと思います。
ロクロというのは、特に大きなものは、土が下の部分がのびません、それ故、どうしても下のほうが分厚くなります。当然重いですし、また上記のように亀裂が入り易くなります。
外側は形の問題があって少ししか削れません。そこで今回は内側を削ってみることにしました。この試みはこの世界に入って初めてです。というのも、私は京都で勉強しているので、そういうことは恥ずかしいことだと思っていたからです。内側を削るなど考えたこともありませんでした。でもちょっと思い出したのです。私の尊敬する富本憲吉は、形をとても大事にしていたので、大壷などは内側を削っていたそうです。で、今回試しにやってみました。多分成功すると思います。でも初めて何かやるとたいていトラブリます。今回もちょっとやりました。調子に乗って削っていたら、削り過ぎたのです。まあ、これも経験ですね。
我々は常識に捉われてなかなかそこから抜け出せません。こういうことはどんな世界でもありそうです。雑誌のタイトルにもなっていますが、「毎日が発見!」ですね。我々の文明はその積み重ねなんだと今回改めて思った次第です。
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by sueki-k | 2009-09-15 19:20 | 作陶

大作(byめぐみ)

秋の個展に向けて大作を製作中です。
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大木とフクロウ。
実物大を目指したのですが、今回はこれで精一杯。でも、かなりの迫力です。
小さいサイズではいくつも試作をしていたので、比較的気楽に考えていましたが、いざこの大きさとなるとやはり勝手が違います。全体のバランスや、かかってくる重み、乾燥させたとき、焼いたときどうなるかなど、これまでの経験を総動員して、いろいろなことを想像しながら進めます。
窯詰めまであと一週間。大きなものほど乾燥に時間が掛かりますからもう急がなければなりません。とはいえ慌てて無理をすれば失敗に繋がりますから今日はここまで。あす、フクロウを木に止まらせて完成の予定です。はたしてうまく行くでしょうか・・・何せ初めての大きさですから、思いがけない事態が起こるかもしれません。うまく焼きあがったら感動です!
ところで、最近の我が家の小さな楽しみは「メダカすくい」です。一月ほど前から、メダカの赤ちゃんが少しずつ孵化しています。7匹の親メダカが入っている大鉢を覗き込んで、孵ったばかりの稚魚をお茶碗ですくい出して別の鉢に入れてやります。ほおっておくと、親が食べてしまうからです。
今日は15匹の大漁。もう70匹くらいはすくっているはずです。これがまた、ちいちゃくてかわいいのなんの・・・「これ、全部育ったらすごいことになるね。メダカってこんなに増えるんだね・・・」と、さわやかな秋の庭先で、日々観察しています。
メダカについて、もう少し調べてみたいと思っています。
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by sueki-k | 2009-09-13 20:54 | 作陶

名と実(byけい)

ジイソブが花盛りです。軒に棒を立てておいたら機嫌よく巻きつき、10個以上花をつけました。
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焼物の世界でこういうことがよくあります。若いうちに何かに入選したり、賞をとったりします。するとその人は、10年経っても同じものを作っていたりするのです。つまり自分のコピーをするのですね。これはあまり良いことではありません。
物事には、「名」(名声、地位、肩書き、お金)と「実」(実力)とがあります。上の例は、実より名のほうが先走った例です。実力より肩書きや名声が先にくるとあまり良い結果が生まれません。その逆のほうがマシです。つまり、実力があるのになかなか認められないというケースです。じつは私がそうなのです。自分でいうのも変ですが、私は実力があります。40代の時、大きな仕事をたくさんやりました。50代になってその「実」に「名」を追いつかせようと思いました。それが今挑戦している日本伝統工芸展などです。やっと「名実ともに」認められつつあります。
面白い例でいうと、宝くじがあります。宝くじに当たった人を追跡調査をすると、たいてい良い人生を送っていないといいます。それは、例えば1億円稼ぐ力(実力)がないのに、1億円手に入ってしまう、1億円稼げる人が1億円使うのは自然ですが、そんな力がない人が1億円使うというのは変なのです。これは不幸になっても不思議はない。
社長の実力がないのに社長になる例はたくさんありそうですね。その場合本人もたいへんですが、まわりも大変です。
さて、先週総選挙の予想をしました。100議席切るというのはハズレましたが、自民党惨敗はその通りになりました。これは、自民党が300議席の実力がないのにとってしまった結果です。「名」と「実」のアンバランスがこういう結果を生んだのでしょう。その意味で、民主党の308議席というのもマズイです。民主党にそんな実力はないはずです。自民党の二の舞にならなければ良いがと心配しています。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」とは良く言ったものです。
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by sueki-k | 2009-09-08 20:17 | 佐藤けいのエッセイ

窯出し(byめぐみ)

昨日は 灯油窯の窯出しでした。
今回の私の作品は、すっかり定番となったフクロウのシリーズ、この季節にぴったりの月とウサギ、新作の「ノリマグ」 などです。「ノリマグ」は、我が家の愛猫「ノリ」の絵を描いた、まん丸マグカップ。想像以上のできばえにニンマリ・・・
今日、早速伊香保のホテル木暮さんのギャラリーにデビューしました。ブログにアップされていますのでぜひご覧ください。
定番のモチーフも、毎回新しいデザインを試すので、窯出しはいつもわくわくドキドキ・・・大きな満月をバックにしたフクロウや、お客様の注文の白フクロウ、どれも満足のいくできばえで、ニコニコの窯でした。
窯の蓋を全開にしたところです。
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工房の開放日で、会員さんたちで賑わいました。皆さんの作品も一緒に窯出しです。良いお天気に恵まれて、このあと庭にずらりと作品が並びました。
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by sueki-k | 2009-09-06 21:33 | 作陶