陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

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不完全の美(byけい)

1月20日、22日、24日と洋食器と和食器の違いを書きました。20日のラジオ高崎でお話したのはこの3点でした。それ以外、お話できなかったことを少しずつ、ここでお話したいと思います。
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写真は私の愛用の足つきカップです。これは穴窯で焼いたもので、一番前で焼いたので、焼いている途中に薪が当たって倒れ、そのまま焼き上がったものです。倒れたので縁が欠け、金継ぎしました。楕円形に歪んでいます。縁が欠け、歪んでいる、これは西洋的な考えでいくと欠陥商品です。でも日本人はこういうところに「美」を見出すのですね。だいたい「金継ぎ」などという「繕い」に美を見出すのは、世界で日本だけみたいですね。西洋は勿論、中国にもそういう美意識はないそうです。中国に関しては別の機会に詳しく論じます。
そういえば、障子が破けると日本はそこにいろいろな形で貼って繕いますよね。また、昔から継ぎ当てで衣服も直しますよね。それに美を見出す、それが日本人です。
また、和食器を見ると「たわみ鉢」といってわざと歪めた食器があります。まん丸よりすこし歪んでいるほうが日本人好みなのです。洋食器にはこういうことはおこりません。
清少納言も言っています。「月は満月より少し欠けているほうが趣きがある」。平安の昔から日本人はそう思っていたのです!
何故こういう美意識を持つようになったのでしょうか。ここからは私の私見ですが、日本人は自然に恵まれ、自然を愛しています。自然というのは、たとえば川原の石など真円などというのは存在しません。太陽とか、結晶のようにミクロ、マクロの世界は完璧なものは存在しますが、自然は木も雲も山も川もみなアンシンメトリーであり、不完全であり、曲線で出来ています。直線はビルとか、このパソコンとか人工的なものだけです。だから自然を愛す日本人は真円でなく歪んだものが好きなのですね。地球を守るためには、この日本人の考え(地球を支配するのでなく、地球を愛する考え方)が必要です。是非、日本のこういう考え方を全世界に広めたいものです。
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by sueki-k | 2009-01-31 21:55 | 日本文化論

子犬の紹介「モチ」(byめぐみ)

今日は日本陶芸展の搬入の日。夫の代理で、東京までとんぼ返りで行ってきました。
朝からずっと雨。真冬とは思えない、ちょっと気味が悪いくらい暖かい雨の日です。
榛名湖の氷は薄くなってしまい、わかさぎ釣りの解禁は、またしても延期となりました。こんな日は、お掃除も洗濯もする気になれませんから、出掛けていて丁度良かったみたいです。
そうそう、昨日は春のような日差しでしたね。
テニス仲間が3人で、子犬を見に訪ねて来ました。そのうちの一人が里親さん希望です。ここの環境と、のびのび育っている子犬たちに大いに感激してくださって、暫くみんなで日向ぼっこをしながらおしゃべり。どれもあまりにも可愛くて、最後まで悩んだ末、キナコを選んでくださいました!キナちゃん、よかったねー!
さて、今日のご紹介はモチくん(写真)。
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のんびりやでマイペース。お父さんのフクに雰囲気が良く似ています。
ほのぼのムードで、いつも笑いを誘ってくれます。
何をするにも、まず一呼吸。考えているのか、ボーっとしているのか???
こういう子犬は賢いのだという話を聴いたことがありますが・・・はたしてモチ君は・・・!?
カメラを意識してか、「いい顔」で写ってくれました。
やっぱり秀才に間違いなし!
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by sueki-k | 2009-01-30 23:02

人はみな怪物を背負っている(byけい)

私は最初、北海道大学に入り、焼き物に出会って北大は中退、その後京都工芸繊維大学に入りました。その工繊で出会ったのが、フランス語の阿部哲三先生でした。工繊時代、私はフランス語ばかりしていました。先生は授業だけでなく、放課後「輪読」といってフランス語の原典を読む会もやっていました。私はその会(いくつかあってその殆ど)に出ていました。そういう訳で私の工繊時代はフランス語一色でした。写真はその時のノートの一部です。一番上の本はモーリアックの「愛の砂漠」、その下の青いノートはそれを全部手書きで写したものです。
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その時読んだ中に、「パリの憂鬱」(ボードレール)という散文詩集があります。その中の一つ「CHACAN SA SIMERE」というのが印象に残っています。綴りは間違っているかもしれません。英語に直すと「Earch his CHIMERE」。シメール(CHIMERE)というのはギリシア神話に出てくる怪物です。《人はみなそれぞれシメールという怪物を背負っている》という詩です。
そうです。私もあなたもみな怪物を背負って生きているのです。これは「業」と訳してもいいかもしれません。私は特に大きな怪物を背負って生きている気がします。
ところで判らないのはボードレールです。彼はこの詩の最後で、「私の怪物はindifference(無関心)だ。」というのです。無関心が怪物?うーむ、詩人というのは解らないことを言うものだ。いまだに理解できていません。どなたかお解かりでしょうか。
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by sueki-k | 2009-01-29 23:38 | その他

朝のミニ運動(byけい)

私の家に来るときは、汚れてもいいズボンで来てください。なにしろ、人が来ると嬉しくて4匹が跳びつくのです。きょうも銀行の人が来て困りました。まだ躾は無理そうですからね。
さて、みんなの体重です。
白のモチは4650g(先週4000g、以下同じ)、黒のアズキは4000g(3500g)、茶のキナコは3550g(3100g)、こげ茶のモナカは3300g(2850g)でした。
猫のノリは3300g(3100g)、ノリも大きくなっていますが、スピードが違いますね。とうとうモナカと並びました。
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水曜日は、しばらくの間健康の話をします。
私は還暦にもかかわらず、新聞を普通に見ることができます。よく飲みに行って、暗いところでメニューなどを見ていると、「え、ケイさん、裸眼でそれ見えるの?」とビックリされます。運転も眼鏡無しです。その秘密を教えますね。
私は朝起きると必ず11種類の運動(あるいはマッサージ)をします。まず足の親指と人差し指を100回こすります。次に両手をこすり、目に当て、目玉を動かします。上下10回、左右10回、右回りグルリ10回、左回り10回、全部で40回目の運動をします。
その他、歯、鼻、耳、お腹、腰、肩、喉、首、など全部で11種類の運動をします。だいたい6分間くらいでしょうか。
たった6分、でも365日、年に2190分(36,5時間)、10年で365時間になります。365時間自分の体をいたわるのと、しないとでは、ずいぶん差ができると思いませんか。たった6分、でも毎日というのは偉大です。まさに《塵も積もれば山となる》です。
放っておいたら目はどんどん老化します。目にかけている時間は1日1分くらいなものです。でも毎日続けることによって老眼にならずにすんでいるのです。
今は情報がたくさんあります。あとは実践のみですね。
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by sueki-k | 2009-01-28 20:41 | 健康

遊びをせんとや生まれけん(byけい)

きょうは釉掛け。まず釉を掛け、それから霧吹きで吹きかけます。
久しぶりに蓋物を造りました。蓋物や急須、土鍋などは蓋がきちんと合っていないとかっこ悪い。
蓋物造りで大事なことがあります。それは少し「遊び」が必要ということです。素人目には隙間が無い方が上手と思うでしょうが、全然隙間のない蓋物は使いにくい。使っていて疲れます。少し隙間(遊び)がある方が使いやすいのです。皆さんのうちにある蓋物や急須を見てください。
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車のハンドルもそうですね。遊びがあります。少しくらい動かしてもタイヤは動きません。もし遊びが無いと運転が疲れるのだそうです。
人生も然り!まじめ一辺倒の人は本人も回りの人も疲れるでしょうね。遊びは必要です。でもそれもほどほどが良いのでしょう。蓋物も遊びが大きすぎると、これまた使いにくいし、カッコ悪い。
では遊びとは何かというと、これも難しい問題です。無くても良いが無いと寂しいものとでも言いましょうか。例えば、家でいうと床の間のようなもの。トイレなどと違って、床の間は無くても生活できますが、無いと貧相になります。最近こういう空間が無くなりつつあります。何か世の中全体が汲々としてきていませんか。
皆さん、人生に遊びを取り入れましょうね。
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by sueki-k | 2009-01-27 19:19 | 佐藤けいのエッセイ

子犬の紹介「モナカ」 (byめぐみ)

今日のお散歩についてきたのは アズキでした。
めでたく貰い手が決まったアズキ君。はりきってますね!
みんな毎日少しずつ成長しています。今日のお昼ご飯のときは、全員きちんと「おすわり」ができました!
ミルク(4歳のお姉さん犬)とも良く遊ぶようになりました。
ミルクは子犬の教育もしています。仰向けにひっくり返して、首根っこをがぶっと押さえます。子犬はキャンキャンキャン、と大げさに泣き叫びます。ひどく乱暴に見えますが、これは、母犬が子犬にするしつけなのだそうです。我が家の場合は、ハル(母犬)がやっている様子がないので、おそらくミルクに任せているのでしょう。最初はアズキ。次にモチ、キナコと順々に、ターゲットを絞ってやっているように見えました。ここ2,3日はモナカです。あんまり派手にやっていると、慌ててハルが止めに入ることもありますが、この「教育」の後は、ミルクに一段となつきます。ミルクの小屋の中で、一緒に寝ていたりするようになります。
日に日にやんちゃになってくる子犬たちに、ハルは少々お疲れ気味。ミルクは甘えたり、遊んだりできる、頼もしいお姉さんです。
同じ女の子でも、前回ご紹介したキナコとは反対に、一番奥手なのがモナカちゃん(写真)。おとなしい性格なのかな、と思っていたら、最近めきめきとおてんば振りを発揮してきました。
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二重まぶた(?)がうるわしく、お母さんの小さいときにそっくりです。ハルも奥手でしたから、性格も似ているのかもしれませんね。
これからますます パワーアップしてくることでしょう。
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by sueki-k | 2009-01-26 20:20 |

ピアノの効用(byけい)

きょうはピアノ愛好会《アルペジオ》の発表会がありました。
私はドビッシーのアラベスク第2番を弾きました。実力不相応の曲なのでたいへんでしたが、なんとかごまかしました。
会場は榛名町の福祉施設「新生会」で行われました。なにしろ今我が家まで来るのは危険ですからね。
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ピアノは精神的にも肉体的にも様々な効用があります。
私は2000年に「小花瓶2000展」というのを全国で催しました。その時仕事をしすぎて右手の中指を壊していまいました。朝起きると中指が真っ直ぐにならないのです。左手を使ってなんとか真っ直ぐにし、ごまかしながら仕事をしていました。心配なので鍼灸師のところへも通いましたが、治らないので諦めていました。2年半前の7月からピアノを習い始めたのですが、その時心配だったのは、この中指でした。もっと悪くなったらどうしよう。でも奇跡的に習い始めて数ヶ月で治ってしまったのです。5年以上苦しんだのが嘘のようです。なにしろピアノは全部の指を平均して動かす訳だから、それが良かったのでしょうね。
手と脳みそは繋がっているといいます。人類の脳の発達は2足歩行と同時です。手と脳は一緒に発達したので繋がっているらしい。密教では手で印を組みます。これは脳を刺激するためです。小さい頃忍者の真似をして、手で印を組みました。あれはどうも落ち着くためらしいですね。おまじないではないのです。つまり、ピアノをしているとボケ防止になると思います。
勿論、精神的にもいいに決まっています。いい音楽を繰り返し弾くわけですから・・・
また、人前で弾くととても緊張します。私は100人くらいの人の前で話してもあまり緊張しませんが、ピアノを弾くときには不思議なほど超緊張します。なんで俺はこんな苦しいことをしているのだ、とも思います。でもこの緊張もいい影響があるでしょうね。
そういう訳で皆さんにもピアノをお勧めします。《アルペジオ》にも入ってください。
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by sueki-k | 2009-01-25 19:57 | ピアノ

一に土、二に焼き、三に造り(byけい)

きょう、東京からお客さんが2組ありました。
1組はテレビ関係の人で、もしかしたら取材があるかもしれません。
もう1組は親子4人で子犬を見に来ました。
黒の「アズキ」が貰われることになりました!おめでとう!!
アズキはとてもやんちゃでしっかりしていて、雑種ですが「黒柴犬」のような犬です。きっとかっこいい犬になるでしょう。うちの犬はみな、性格が良くて、利口で、丈夫です。皆さん早いもの勝ちですよ。
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きょうの話は「洋食器と和食器の違い」第三弾。
焼き物の世界では「一に土、二に焼き、三に造り」と言います。
「一に土」、これは素材です。まずは素材が大事と言っています。これは日本人にとってはあたりまえなのですが、私は日本文化の特性だと思っています。日本人は素材を大切にします。
例えば料理。刺身などは素材そのものですよね。板前さんの腕はいかにいい材料を生かすかにかかっています。西洋料理はいかに美味しく調理するかです。焼き物でいうと「三の造り」に当たります。
着物もそうです。着物は布をカットせずそのまま着ます。洋服はどんどんカットしてフォルムを主張します。これも「造り」です。
日本の焼き物で最も特徴的なのは、「焼き締め」です。これは釉薬を掛けずそのまま焼いた焼き物で、代表的なものには備前焼きや信楽焼きがあります。こういう焼き物は世界に例がないでしょう。
他にもたくさんありますね。和紙、木工、鉄工芸、ガラス工芸、音楽、庭、等々・・・
何故日本人は素材を大事にするのでしょうか。それは日本人は自然に恵まれているからだと思います。20日のブログにも書きましたが、西洋は、自然が厳しいから自然を克服しなければならない。だから「造り」を大切にする。自然に恵まれている日本は、自然そのものを楽しめばいいのです。西洋の庭のように幾何学模様にはしませんね。京都もパリもいい素材が手に入らないから料理が発達したそうです。
そういうわけで、日本人は恵まれているのだと思います。自然を浪費するのでなく、自然を大切にする日本の哲学を世界にアピールしましょう。
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by sueki-k | 2009-01-24 22:10 | 日本文化論

子犬の紹介(byめぐみ)

数日前とはうって変わって 春の様な暖かい一日でした。
夕べからの雨は、雪にならずに降り続き、積もっていた雪をだいぶ解かしてくれました。
インコのグミちゃんは、朝から水浴びです。
昼ごろにはすっかり青空が広がっていて、いつものように みんなで日向ぼっこができました。久しぶりに犬たちと川まで散歩に行きました。子犬たちはついてくるかな・・・?
アズキとモナカは途中で断念。先に帰って、デッキで遊んでいました。慎重派のモチは、小屋でじっとお留守番。 個性的なそれぞれの行動が面白いです。
最後までついてきたのはキナコ(写真)でした。
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キナコはなんでも真っ先に行動します。小屋から最初に這い出したのも一番。部屋に上がってきて、のり(子ねこ)と対面したときも、全くものおじしません。他の子はさっさと帰っていったのに、キナコは暫くの間、部屋中を歩き回ったり、のりにじゃれついたりして、我が物顔で遊んでいました。
人間と同じように、犬も、女の子の方がおませなのでしょうか?耳だってもう時々立っています。
顔つきも、いかにもしっかり物といった感じ。
まだまだお母さんのおっぱいが大好きだけど、こんな大人びた顔も見せるようになりました。
ついこの間生まれたばかりだったのに・・・早いものですね。
あと一月もしたら、親離れのときがやってきます。
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by sueki-k | 2009-01-23 22:38 |

鶴の文化・狐の文化(byけい)

きょうは、一昨日に続いて洋食器と和食器の違い、第二弾です。
10年以上前になりますが、銀座松屋で「小鉢百態」という個展をやったことがあります。
「百態」はシリーズ化していて、今までに「飯茶碗百態」「急須百態」「飲む器百態」「お皿百態」掛け花入れ百態」などをやっています。
ノートにいろいろな形をスケッチして、主にロクロで成形しました。ロクロをしたのを半分にカットして「箕型小鉢」などというのも造りました。なにしろ100種類ですからね。たいへんです。
ある時ロクロをしていて、ふと思いました。「何故、日本の器はこんなに種類が多いのだろうか。」そこで思ったのは、お箸のせいではないだろうか、ということでした。写真をご覧ください。これ皆小鉢です。片口あり、楕円形あり、高杯(足に高いもの)あり、筒むこうあり、です。特に「筒むこう」は湯のみのような深いものに、ちょこっと食べ物が入っている、それをお箸でつまんで食べるわけです。
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西洋はナイフとフォークです。食器といえば基本的にフラットです。大きさが違うだけです。これは要するに、まな板なのですね。その上で切って食べる。だからフラットでないと困ります。
お箸は手の延長ですので、変幻自在です。どんな形もOK。
私はロクロをしながら膝を叩きました。いえ、手は泥だらけなので、本当に叩いた訳ではありませんが、これはあのイソップ物語の鶴と狐ではないだろうか。
鶴は狐に招待されて食事をします。ところが、お皿で出されたため鶴は食べられません。次に今度は鶴が狐を招待します。ビンのような筒型の器で出されたため今度は狐が食べられません。こんな話でしたよね。そう、お皿は狐の食器、筒型の食器はまさに「筒むこう」です。これは鶴の食器。これを私は「鶴の文化」「狐の文化」と名づけました。
「変幻自在」というのは日本の文化の特徴です。例えば風呂敷、これ、たためば手の中に入り、大きなものも包めます。いざとなったら包帯にもなる。座卓も何人でも座れる。こういう例はたくさんあります。皆さんも考えてください。(ヒント・ベッド、着物など)
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by sueki-k | 2009-01-22 19:28 | 日本文化論