陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

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カテゴリ:焼物の一般的な話( 27 )

お皿が反るー「締め」について

先日、私の陶芸教室の生徒の作品がご覧のように反りました。
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これは粉引という種類の焼物です。
上から見ていると分りにくいですが、横から見るとこうです。
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写真では分りにくいかもしれませんが、相当反って真ん中が持ち上がっています。
焼物をやっていると、こういうことが起きます。
理由はいろいろ考えられるのですが、一つは、「締め」が足りないということがあります。この「締め」について、きょうはお話しましょう。
「締め」というのは、土の密度を高めることを言います。土がゆるんでいると、キズになったり、歪んだりします。それで作陶のときに土を締めます。やり方は「羽子板」という板で叩いたり、指で押さえたりします。
ロクロをする時に、最初に覚えるのは「土殺し」です。これは一種の「締め」です。

上の皿が反った理由の一つに「締め」が足りなかったのではないかということが考えられます。

これに関して、次の焼物の話は「土殺し」と「土のメモリー現象」について書きましょうか。
ではまた・・・
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by sueki-k | 2012-09-06 20:38 | 焼物の一般的な話

高台の役割⑫⑬

高台の話をいろいろ書いてきましたが、何故こんなことを思いついたのか。
話は30年前に遡ります。
私が独立して間もない頃です。テレビで「百万人のクイズ」(確かこんなタイトルだったと思いました)というのがあって、鈴木健二というアナウンサーがクイズを出していました。それに「高台は何のためにあるのか」というクイズがあったのです。
今回の合宿で最後に残、クイズの答えでした。
賞品は私の灰被りの花瓶でした。
正解を出したのは、うちの生徒の一番のベテランでした。さすが。

さて、答えです。
⑫「歪まないため」です。
分りやすい例としては、お皿がいいでしょう。
お皿に高台をつけないと歪みやすくなります。
テレビの答えはこれでした。でもその時私が思ったのは、「いや、それ以外にもたくさんあるんだけどなー」でした。
それで今回のクイズとなったわけです。

一つ追加です。忘れていました。
⑬「断熱のため」です。
湯のみに熱いお茶を淹れたとして、高台がないと熱くて持てません。その時のワンクッションとして高台は有効です。

いや、いろいろあるものですね。高台の話は今日で終わりにします。

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ヒツジグサが咲き始めました。
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by sueki-k | 2012-08-30 22:18 | 焼物の一般的な話

高台の役割⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪

高台の役割の話を丁寧にやっていると時間がかかりますので、きょうは一気に書きます。

⑤釉をかける時に便利。(手に持って掛け易い。)
⑥釉が流れるのを防ぐ。(碁笥高台だと釉は流れ易い。)
⑦乾燥し易い。(底が浮いているほうが乾燥し易い。これは結果的にキズを防ぐ。)
⑧重ね易い。(これは焼く時にも、収納する時にも有効。)
⑨引っかかり易い。(茶道のときに、茶碗を左手に持ってお湯をこぼす。その時に高台がないとやりにくい。)
⑩ ⑨に通じますが、高台があった方が底が焼けやすい。
⑪底に釉を掛けられる。(釉が掛かっていないところはカビが来易い。高台があると底に釉が掛かり、カビが来にくくなる。)

さて、あとひとつあるのですが、考えてください。
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by sueki-k | 2012-08-30 00:38 | 焼物の一般的な話

高台の役割③④

高台の話に戻します。
③美的な役割④宗教的な役割
というのがあります。

私はよく「高杯(タカツキ)」というのを造ります。これは高台が高くてお洒落なのです。
食卓は大体平坦で変化がありませんが、高杯は背が高いので変化があります。
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これが高杯です。
横から見るとこうです。
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馬上杯というのがあります。これは、ぐい飲みの一種ですが、馬に乗っていても持ちやすいように、高杯の形をしています。
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その他、須恵器の初期のもので、高台が50cmくらいのものがあります。これは神に捧げる意味合いがあり、宗教的なものです。

高台の話はまだまだあります。
明日はまとめてたくさん書きましょう。
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by sueki-k | 2012-08-27 23:06 | 焼物の一般的な話

高台の役割②

昨日の話の続きです。
高台には様々な役割がありますが、そのうち重要なのは②「重さ(軽くする)」です。
まず、図を見てください。
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左上はロクロを挽いた状態です。それを削ると右上になります。
理想をいうと縁から底まで同じ厚さが良い。でもそうなると不安定になります。そこで高台が必要になってきます。それが昨日の①です。
高台をつけることによって、本体を薄く削ることが出来ます。これが高台の重要な役割です。

形を重視して、わざと高台をつけないこともあります。
例えばこの湯のみ。
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これには高台らしきものがありません。が、裏返すとこうです。
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こういう高台を「碁笥底」といいます。碁笥とは碁石を入れる木の容器です。
これが碁笥です。
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これの裏はこうなっています。
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図をみていただくと分りますが、碁笥底は余分な肉がついていて、重くなります。重くてもいいから形を重視する時に碁笥底にします。

さて明日は、焼物から離れて、いろいろな花が咲いているので紹介します。
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by sueki-k | 2012-08-25 19:44 | 焼物の一般的な話

高台の役割①

インコのグミが死んで、それに関して書きたいことがたくさんあるのですが、今日は高台の話をします。というのも、先日息子から電話があったからです。「お父さんのブログ読んでみたけど、これだと野草好きのおっさんのブログみたいになってしまう。焼物に関して書くことがたくさんある筈なのに、もったいない。」
なるほど、そうでした。私は陶芸家でした。書きたいことは山ほどあります。
で、息子の忠告にしたがって、今日から3日に一度は焼物の話をしようと思います。
専門的なことから素人にも分りやすいことまで、いろいろ書きます

さてその第一弾は高台の話です。先日の陶芸合宿で「高台の役割」というクイズを出しました。私が用意した答えは7つプラス2つ、合計9つでしたが、実際には12個の答えが出ました。

答えの前におことわり。「高台」は「タカダイ」ではありません。「コウダイ」です。焼物の茶碗の下に付いているものです。

役割の1つ目は、「①器の安定のため」です。仮にお茶碗の裏を削って、高台無しだととても不安定です。
こういう時の発想としては「もし高台が無かったら」と考えると答えが出てきます。

さて続きは明日にします。
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by sueki-k | 2012-08-24 23:43 | 焼物の一般的な話

信楽旅行2日目

2日目は「陶芸の森」という広大な施設に行きました。
2時間半くらい滞在しましたが、全部は見切れませんでした。
その中の「陶芸館」というところで「明治・大正の陶芸展」というのをやっていたので、見学。
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その他、研修館や登り窯、穴窯などを見学。
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途中に様々のオブジェなどがあり、もっとゆっくり見たかった感じです。

昼は駅の近くで「近江牛のすき焼き」を食し、最後は「狸庵」で狸を物色。私も小さい狸を一つ購入しました。
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ここは,元祖だそうで、初代の写真など飾ってありました。様々な狸に圧倒されました。
こうして午後2時半ころ信楽を出発し、9時40分に高崎駅に到着。まずは無事に到着したことで、バス運転手にお礼の拍手で散会しました。

出席した皆さん、大喜びでしたので、まずは安心しました。
毎年という訳にはいきませんが、1年おきくらいに計画しようかと思います。

私の感想としては、5年間住んでいたので、見慣れた風景でしたが、客観的に見ると、歴史を感じさせられる街でしたね。ここで勉強できたのはラッキーだったと今更ながら思います。
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by sueki-k | 2012-07-16 23:56 | 焼物の一般的な話

信楽旅行(1日目)

滋賀県の信楽に行ってきました。
うちの陶芸教室も3年経ち、生徒の要望もあり、1泊2日のバス旅行でした。益子、笠間は生徒同士で行ったりしていたようですが、信楽は日帰りという訳にはいきません。
私は信楽に5年間住んでいたので友人もいて、よく分っていたので、行くことにしたのでした。
遠いので余裕を見て朝6時出発、予定では午後2時着でしたが、1時に到着。何故なら信楽の近くまで高速が通っていて、名古屋経由で思ったより速く着きました。
まずは「伝統産業会館」の見学。
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ここでおおまかな信楽の歴史を勉強。
時間が予定より余ったので、その辺を散策。
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これは近くの神社で、狛犬は焼物でした。
そして夕方4時ころ、今回のメインイベントである「谷寛」に行きました。
「谷寛」とは「谷寛製陶所」の略です。私が30歳で弟子入りを終わり、ロクロ師を1年間していたところです。その頃知り合った友人がそこの娘さんと結婚し、跡継ぎになりました。彼は今、「谷井芳山」という名前で作陶しています。
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明治時代の師範学校を移築した大きな建物があり、その中に窯やギャラリーなどがありました。
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ギャラリーでは私を含め全員が買い物をしました。
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そして夜は信楽の料亭で、芳山氏と共に宴会をしました。
せっかくなので、彼に信楽のこと、制作の話などをしていただきました。

この企画は、私が信楽に住んでいたからできた企画です。
多分一回かぎりでしょうね。
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by sueki-k | 2012-07-15 23:28 | 焼物の一般的な話

酸化と還元

先日、窯焚きの写真を載せました。
灯油窯ですが、炎がでていました。あれは還元という焼き方です。
焼物の窯焚きは2種類あります。酸化と還元です。
解りやすくいうと、酸化とは酸素をたくさん入れながら焼く、還元というのは酸素を少なくして焼く焼き方です。
鉄を例にして説明します。
鉄は本来の鉄の色と、錆びた鉄の色があります。錆びると錆び色になります。茶っぽい色です。あれは鉄と酸素が結びついた色です。つまり酸化で焼くと、鉄分は酸素と結びついて鉄さびの色になります。茶色になるのです。ところが還元、つまり酸素不足で焼くとブルーになるのです。
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これ私の水指です。還元で焼いたので青磁のような色になります。

銅はもっと極端で、還元で焼くと赤になり、酸化で焼くと緑になります。緑は緑青の色です。

さて、明日はラジオの収録があります。
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by sueki-k | 2011-12-26 13:50 | 焼物の一般的な話

続・灰釉の話(byけい)

灰は高温になると何でも熔けます。
しかし、熔ける温度はまちまちです。
普通の木の灰は、1200度くらいになると熔けますが、例えばワラの灰はその温度では熔けません。竹も熔けにくい。これらは珪酸分が多いので溶けにくいのです。
世の中には変わった人がいて、身の回りのもの何でも焼いて実験しました。回りの何でもです。例えばマヨネーズとかソースとかゴマとかあるいはプラスチックとか、手当たり次第試したそうです。すると大抵釉薬になってしまうそうです。駄目なのは金属ですね。
それにしても、1300度などの高温になると世界がガラリと変わります。我々の世界がとても多様なのは、20度という温度のお陰ということに今さらながら気が付きます。

ところで、写真はきょうの話題と関係ありません。
はて、これ何でしょうか?
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これはヤマガラの雛です。
我が家の軒下に小鳥の巣箱を掛けています。それにヤマガラが入って、卵を抱いているところまで確認しました。最近、鳥が餌を頻繁に運んでいたので、先ほど覗いてみたら、雛がかえっていました。羽が生えているところをみると何日か日がたっているようです。卵のようなものも映っています。これはかえらなかった卵でしょうか。
親鳥は、夜はいないのですね。
いつ頃巣立つのでしょうか。楽しみです。
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by sueki-k | 2011-06-11 22:30 | 焼物の一般的な話