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陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

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続・続・粉引の話

イギリスのジュニパー久仁子さんから粉引についての質問がありましたので、このブログでお答えすることにします。
質問は(1)焼きは酸化か還元か(2)本では、素人が失敗しないためには、素焼きのものを水で濡らして化粧すると良いと書いてありましたが・・・(3)釉薬は透明ならなんでも良いのか。
(1)酸化、還元どちらでも良いが、酸化は白っぽくなります。還元のほうが変化があり、面白いですね。それと還元の方が丈夫です。
(2)確かに素焼きをしたものに化粧する方が失敗率は低いですが、面白味に欠けます。どちらかというと真っ白で変化がありません。粉引の面白さは、地の赤土と化粧土のミックスした微妙な変化にあります。それは生掛けしないと出てきません。生で掛ける方が赤土と化粧土の親和性が増すのでしょう。その代わり割れたりというリスクが生じます。何事もリスクと結果は一致しているように思われます。
(3)釉薬は何でもOKです。持っている釉薬、すべてを掛けてみると面白いと思います。普通の白土に掛けたのとは明らかに違います。因みに私の粉引はマット釉を掛けています。

ついでに・・・
粉引をうちの穴窯で焼くとこうなります。
続・続・粉引の話_c0178008_22241310.jpg

すごく変化します。

更に刷毛目というのがあります。これは化粧土を濃くしておいて刷毛で塗ったものです。
続・続・粉引の話_c0178008_2225620.jpg


また、化粧したものを釘で彫って色付けするとこうなります。
続・続・粉引の話_c0178008_2226357.jpg

これは「山ボウシ」の時計です。

化粧土ひとつでいろいろなことが出来るので、奥が深いです。
by sueki-k | 2014-03-26 21:48 | 作陶