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陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

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灰の話(byけい)

昨日の続きの話です。
「灰」というのがあります。木の灰でもいいし、紙でも草でもあるいは骨の灰でもいいです。これ、温度を上げてゆくとどうなると思いますか。普通はそこまで考えないと思います。
灰は温度を上げてゆくと熔けてガラス状になります。
灰の成分とガラスの成分を分析すると、似ているのです。
故に、焼物を薪で焼くと灰が散って陶器に付着し、ガラス状になります。
灰の話(byけい)_c0178008_2329313.jpg

この写真は昨日の灰被りではありません。ごく普通に棚の上に乗せて焼いたものです。
うちは6日間焼くので、その間に灰が飛んで付着し熔けて釉状になったものです。ですから焼く薪の種類によって色合いは変わります。これを自然釉と言います。
以前桜の木がたくさん手に入ったので、それを入れて焼いたら、赤紫色の自然釉になったことがありました。
窯の基本は赤松ですが、灰のことを考えると少し他の木を入れたほうが自然釉の色を楽しめます。

それにしても不思議なのは、薪で焼く温度が1200~1300度で、丁度それで灰が熔けるということです。灰が熔ける温度が2000度だと今の焼物は成立しなかった思います。焼物の世界は実に絶妙に出来ています。神秘的といっても良い。

ついでに明日は灰釉のことをお話します。
by sueki-k | 2011-06-09 23:40 | 焼物の一般的な話