人気ブログランキング | 話題のタグを見る

陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

suekinokei.exblog.jp
ブログトップ

化粧のこと(byけい)

今日は焼物の話をします。
たまに焼物の話をしないと、何のブログか判らなくなってしましますからね。

焼物の制作技術の中に「化粧」というのがあります。一般的には「白化粧」ですが、「黒化粧」というのもあります。白化粧して焼いたものを「粉引(コヒキ又はコビキ)」と言い、人気のある技法です。
写真は、手前が白化粧したもの、奥が化粧する前のものです。
化粧のこと(byけい)_c0178008_18545633.jpg

これは、赤土(陶器)の上に白い磁器土(磁土)を化粧したものです。そうすると、本体は陶器で、表面は磁器という2重構造の焼物が出来上がります。
昔は白い磁土は少なく貴重品で、赤土は比較的手に入り易かった。で、磁土をどろどろに溶かしたものに赤土の作品を浸して化粧して使った。それが始まりです。
陶器というのは、磁器より脆いが温かみがある。磁器は真っ白で清潔感があるが、ちょっと冷たい感じがする。そして、この粉引はその温かみと清潔感を両方兼ね備えたものです。ある意味で、陶器と磁器の良いとこ取りなんですね。
私も粉引がずっと前から好きで挑戦していますが、なかなか良いものが出来ません。
いずれ、登り窯を造って、本物の粉引に挑みたいと考えています。
by sueki-k | 2011-05-09 23:41 | 作陶