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陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

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50、60、はなたれ小僧(byけい)

ネジバナが咲きました。ネジバナは蘭科の花で、古文に確か「忍ぶモジズリたれゆえに」と出てきた気がしますが、あのモジズリがこのネジバナです。この写真、風にゆれてぼけてしまいましたが、小さな花の一つひとつが蘭の花になっていて、よく芝生に出現します。ねじれていて可愛い花です。
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話は変わります。先日「私の好きな言葉」というカテゴリーを追加しました。で、思い出したのが「50、60、はなたれ小僧」という言葉です。最近、友人と飲んだり話たりする機会があって、定年退職して家でぼちぼち何かをやっていたり、再就職したりしていて、もう老後のことを考えているらしいのですが、私はどうも違和感があります。
私は20代のころ、京都に住んでいて、ちょうど京都で「平櫛田中(でんちゅう)」展」がありました。彼は彫刻家で104歳まで生きました。100歳の時に、10年後に使う木を買ったそうです。(木彫は乾燥させなければなりませんので)。彼の言葉に「50、60、はなたれ小僧」というのがあって、私はその頃20代でしたからピンときませんでしたが、今60歳になって、やはりそうなのね、という感じです。焼物の世界はまだ全然解っていない、まだまだこれからです。実感として彼の言葉が解ります。孔子は「30にして立つ」といいましたが、私は「60にして立つ」と思っています。
平櫛田中の言葉でもう一つ気に入っていた言葉がありました。「わしがやらなきゃ、誰がやる。今やらなきゃ、いつやれる」というものでした。昔の人の言葉はリズムがありますね。
私も思っています。須恵器は、俺がやらなきゃ、だれがやる、と。
by sueki-k | 2009-07-27 22:47 | 私の好きな言葉