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陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

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アマとプロ(けい)

きょうは3回目の「仕事場開放」の日でした。
人数がもう20人以上になってしまいましたので、当初月に1回仕事場を開放しようと思っていたのを、月に2回に増やしました。人数を分散させたいことと、月に1度だと1回休むと2ヶ月休むことになり、それも良くないと思ってのことでした。
皆さんアマチュアですが、実力は様々です。10年くらいやっている人もいれば、全くの初心者もいます。
いろいろな世界でアマとプロが存在します。そこできょうは私の理想をお話します。
私が20代のころ、富本憲吉に惚れ込んで、彼の本を読んだり、彼の記念館(奈良県)に行ったりしていました。富本憲吉という人は明治以降の陶芸家の中では5本指に入る人です。人間国宝の第1号でもあります。彼は最初、建築の勉強をしていて27歳から焼物の道に入りました。まったくの素人から自己流で日本のトップまで行った人です。私の尊敬する陶芸家です。
有名な羊歯(しだ)模様というのがあって、その大壷を見たときには本当に感動しました。写真は同じ羊歯模様の八角陶箱です。
アマとプロ(けい)_c0178008_1936172.jpg
 
彼の作品は私に大きな示唆を与えてくれました。この羊歯模様、本当に一筆づつ丁寧に描いてあります。こういう世界には職人技というのがあって、それがもてはやされます。でも彼の作品は職人技ではないのです。職人はこんな筆使いをしません。もっと手が自然に動いて、感情移入せずに描きます。でも富本憲吉は違うのです。一筆一筆丁寧に、感情を込めて描いています。彼は生涯素人でした。でも技術は日本のトップなのです。そして、私の理想は、精神(核)は素人で、技術はプロという形です。私の嫌いな作品は、技術だけで造っているものです。手先だけで、思いがこもっていない作品です。プロの作品に多くあります。
その点、素人の作品は、技術は低いが思いはこもっています。あとは技術だけですね。私にその手伝いが少しでもできれば、と願います。
by sueki-k | 2009-07-04 19:51 | 囲碁、将棋、スポーツ