陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

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須恵器の本質(byけい)

きょうから高崎高島屋で個展が始まりました。
きょうのブログは会場風景を写すつもりでしたが、カメラを忘れていきました。なので、それは明日にします。
きょうの話は須恵器の最も大事で、難しい話です。化学が苦手な人は、ややこしいかもしれませんが、出来るだけ易しく話しますので、お読みください。
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須恵器を一言でいうと「焼き締め&燻す」でした。この燻すというのがもっとも大きな特徴です。
写真の右が須恵器で、これは燻しています。まったく同じ土で、燻していない(それが一般的)ものが左です。備前焼、信楽焼きは左に属します。ご覧のように左の燻していないものは赤みがかっています。右はモノクロに近く、赤みがかっていません。これは鉄分が関係しています。赤みがかるのは酸化第2鉄、即ち鉄さびの色です。鉄さびは赤いですよね。それを燻すと化学変化を起こして、酸素が取れてしまい、モノクロになるのです。
実際にはどうするかというと、火を止めるときに薪をたくさん放り込み、煙突を遮断してしまうのです。すると中の煙は逃げ場を失い、窯の隙間から噴出します。それを予め練っておいた粘土で塞ぐのです。30分くらいその格闘は続きます。
窯の中に煙が充満すると、窯の中には一酸化炭素が出来ます。一酸化炭素はとても不安定な物質で、酸素と結合して二酸化炭素になろうとします。その時に窯の中のあらゆる酸素と結合するのです。つまり酸化第二鉄の酸素と結合し、その結果鉄さび色が消えるという訳です。ある時ホームセンターから赤レンガを買ってきてうちの窯に入れたら、赤みが取れて、灰黒色のレンガができました。(一酸化炭素中毒が危険なのは、肺に入り血液中の酸素を奪うからです。)
かくして、石のような焼物・須恵器ができあがるという訳です。
きょうはちょっと難しい、でも最も大事な話でした。明日はカメラを忘れないようにします。
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by sueki-k | 2009-05-20 21:59 | 須恵器の話