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陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

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須恵器って何焼き?(byけい)

きょうは雨ですね。私は山野草をしているので雨は慈雨です。新緑がきれいです。今、一年で最高の季節です。
それにしても、高速料金が割引で、混んでたいへんだったようですね。うわさによるとETC業者は品薄で、儲かったみたいだし、サービスエリアは今まで閑散だったところも、混雑してウハウハだったみたいですね。結局道路公団の天下り先が超儲かって、庶民にはたいしたことない連休だったみたいで、むなしい感じです。それはそれとして、きょうの話は須恵器です。
須恵器って何焼き?(byけい)_c0178008_1714631.jpg

写真は私の典型的な須恵器の壷です。
私の須恵器を見て、人は質問します。「これ何焼きですか?」
答えは「須恵器です。何とか焼きではありません。」
日本の焼物は、○○焼きというのが基本になっています。これは恐らく茶道からきているのでしょう。茶道では○○焼の茶碗というようになっていjます。備前焼の水差しとか、萩焼の茶碗、唐津焼きの茶入れのように誰々作よりも○○焼が優先します。で、よく訊かれるわけです。「何焼きですか?」
ところが須恵器は○○焼に入らないのですね。
○○焼はそこの土でやかれた物をいいます。備前焼は備前の土で焼かれた物をいいます。群馬の土をどう焼いても備前焼にはなりません。萩焼も萩の土で焼いたものです。昔からある焼物はすべてそうです。というのも昔は今のように交通が発達していなかったから、そこで採れた土はそこで焼いたのです。
ところが須恵器は違います。須恵器の特徴は、土ではなく焼き方にあるのです。薪で焼いて最後に燻すのが須恵器です。須恵器は全国で焼かれました。だから○○焼ではないのです。
100年後には、須恵器は全国で焼かれるようになると思います。それぞれの土地で、それぞれの土で焼かれると面白いのではないでしょうか。私はそのフロンティアと思っています。
by sueki-k | 2009-05-06 17:23 | 須恵器の話