陶芸家の森の日々                      ~佐藤火圭(けい)ワールドへようこそ!

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良い徳利とは(byけい)

一昨日、大作が全部仕上がり、今、小物を作っています。
昨日は徳利を作りました。これらは須恵器になります。こういうものは一個ずつ形も大きさも変えます。酒好きの私としては楽しい仕事です。愛される徳利を作りたいですね。
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徳利と一輪挿しは似ていますが、作るときの意識は違います。一輪挿しは水が入って、漏れさえしなければどういう形でも許されます。でも徳利はいろいろな制限があります。一つはお酒を入れ易いこと。一輪挿しは水道の蛇口を細くして入れられるから、口が小さくても良い。徳利は一升瓶から入れ、かつ、お酒がこぼれないような口にしなければならない。なので、口はジョウゴのように広げてあります。また口のくびれの大きさも微妙です。お酒を注ぐときに良い音がしたほうがよい。大きすぎるとガバっと出て風情がない。コッコッコッと気持ちよく出て欲しい。そのためクビレの太さに神経を使います。
次に一輪挿しは持たないが、徳利は持ちます。つまり持ちやすい形と手触りが関係してきます。三角形の一輪挿しはあり得ますが、徳利は難しいでしょう。
それと関連して、重さも重要です。重い徳利は嫌われますが、一輪挿しはむしろ重いほうが良いかもしれません。でも今回、わざと重い徳利を作りました。その心は?---重い徳利だと、燗をする時になかなか温まりませんが、そのかわり、1回燗をすると冷めにくい。そんな徳利を作りました。
ところで、こんな徳利を作れないでしょうか。《お酒を注いでも注いでも出てくる徳利》。お酒を注いで、もうカラかなと思ってもまた出てくる。そんなのがあったら酒飲みとしては嬉しいですね。出来るのです!それは重心を出来るだけ上に持ってゆくのです。そうすると酒がまだ残っている状態でカラと錯覚します。カラと思いながら徳利を傾けるとまだ出てくる。逆に重心が下にあると、まだ残っていると思って徳利を傾けると、すでにカラだったりする。ガッカリですね。酒飲みをがっかりさせないためにも、私は魔法の徳利を作ってゆきます。
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by sueki-k | 2009-04-02 20:09 | 焼物の専門的な話